僕の困った友人の話を書きます。本当はツイッターに書こうと思いましたが、あまりに長くなりすぎたので、ブログに書きました。僕のブログにしてはやや口語的で、1パラグラフが全て140文字以内に分けられているのはそのためです:
僕には親しい友達がいる。正式にはいた、という方がいいかもしれない。彼は家族に内緒で高額の借金をしてきたし、散財が凄かった。毎年4回ほど旅行に行き、その度に高額なものを買っていたし、日常でもやたら高級品を買っていたようだ。
僕は彼とは長い付き合いだった。最近も電話で相談を受けていた。しかし、結構彼の態度には気になる部分があった。それで今年の頭、彼に「最近ちょっとたるんでいないか?」と指摘したが、それで逆上され、一方的に関係を切られてしまった。
彼は、リボ払いのクレジットカードで買い物を続け百万近い債務を背負った挙句税金関係(市民税や保険料など)のお金もずっと滞納していた状態だった。税金関係は家族会議(後述するが僕が提案した)で言われてようやく分割で少しずつ支払いを始めたらしい。
僕は放置して自滅させる選択肢もあった。しかしお金の件は彼の家族にも迷惑がかかる。彼の家族にはお世話になった。それで、家族にもこのことを電話で相談した。お母様は、弟や妹達はしっかりしているのに彼だけ……とかなり心配していた様子だった。
僕が彼の借金に対して黙ってきたのは、借金がこんな額なんて知らなかったことと、彼自身にもその程度の節度はあるだろうと信じてきたからだった。何より、彼に夢を目指して欲しかったからお金の話は二の次だった。彼に縁を切られ、彼の両親に相談し、初めて彼の借金の額が分かってびっくりした。
僕は、彼にはしっかり夢を目指して欲しいと思い、そのように助言してきたつもりだった。正社員になるかどうか悩んだときに、夢があるなら若いうちに目指すべき、と言った(今ではそのことに責任を感じている)。しかし彼は、一向に夢に向けた努力はしなかった。仕事もふらふらと派遣を転々としている。
僕の周りで、夢を目指し、それで食べようとしている人がいるが、皆、芯が通っている。「駄目だったら溶接の仕事につく」と言っている人もいるが、夢を目指した経験のある人はタフなので、仮に夢で食べていけなくても、結構、何とかなる。しかし、夢を目指さずふらふらしていた人は違う。
彼は、このGWに東北に旅行に行ってきたようだ。結構散財したようだ。「東北にお金を落とすのも目的」と話していたようだ。考えとしては立派だが、そういうのはまず、自分の懐具合を勘案してするべきものではないか。以前は僕が彼の行きすぎを指摘していた。誰も指摘しない今は危ういと思った。
彼は、家族の言うことを聞かない。自分からそう話していた。よく、家族からたまに思いついたように「ちゃんとした仕事見つけろ」と言われているが、そんなものは聞き流している、と。だから僕はご両親に、家族会議を開く形できちんと問い詰めることを提案した。
彼には自分が本当にやりたいことが何か見つけて欲しいし、さもなくば正社員になるなりして身を固めて欲しいと思う。彼はいつもやりたいことがあると言うが、大抵3ヶ月すると違うことを言い出す。前は「尾道は良かったので住みたい」と言い、3ヶ月経つと「やっぱり京都で仕事を探したい」と言ったり。
仮に本当に京都で働きたいのなら、身体一つで飛び込んで、住み込みで働かせてくれる旅館なんて探せばいくらでもあるだろう。なぜすぐに動けないのか。……電話で両親にそう話すと「彼は人付き合いが苦手だから、接客業や、中間管理職はつとまらない」と話してくれて、少し腑に落ちた。
彼は僕と同じように発達障害の部分があったんだろうね。僕の方は診断を受けてる症状なので気付かなかったが。発達障害の人って、二次障害が出やすい。躁状態になって散財をするのも、対人面の仕事で鬱になるのも、そうなんだろうな、と思う。
彼はうつ病と診断されているようだが、言動を見ていると、それは誤診だ。突然気が大きくなる、躁状態が出るのは、双極性障害である。これらは薬も治療方法も全然違うし、精神科の先生も誤診しやすいため、一度自己申告した方がいいと思っているんだが。
彼のことは、共通の友人にも相談して、どうするか考えている。彼には早く本当にやりたいことを見つける努力をすることが必要だし、その夢の実現のために、いろんな欲望を我慢する必要もあるだろう。借金は一番に何とかしないと……話し合っている。
そもそも昔の彼はこんなんではなかった。正義感もあるし、夢も持っていて、人当たりもよかった。そんな彼が、明らかに劣化して、「かっこ悪くなって」いると感じた。夢に敗れたのか、仕事に失望したのか、彼の持っている利点を自らことごとく棄ててしまったように僕には思えた。
僕はそのことを指摘して、長年の関係を切られてしまった。僕は歯に衣着せないものの言い方をするため、僕の言い方が悪かったのだろう。そこは申し訳なく思う。ただ、僕はまだ彼を信じている。僕と仲直りはしなくてもいいから、前のようにちゃんとして、周囲に迷惑をかけない人になってほしい。
彼は過去は本当にこんな人ではなかった。ただ少し暴走しがちなところはあったが。夢に溢れていて、貪欲にチャレンジする人だった。暴走しがちな部分については、僕がセーブさせることで、いい塩梅にしてきた自負はある。もう、あの頃のように彼と夢を語り合うことは出来ないのだろうか。
彼は本当に根はいい人だと思う。歳を経て、出来ることと出来ないことが分かって来たんだと思う。僕も同じような経験をして、今は無理のない生活をしている。だから彼にも今こそ、自分を見つめなおして出来ることをして欲しいと思う。世の中に失望したなどと言って安易な道を選ばないで欲しい。
最後に。長年付き合ってきた僕を一方的に切った貴方へ。崖に向かって一直線に突っ走ってきた貴方を、僕は何度も止めてきました。全て自分の力だと勘違いしておられるようですが、また何か起こしてからでは遅いです。万が一貴方が泣きついてきたら、受け止めるつもりですので、まだ連絡は待ってます。
……僕の困った友人の話は、以上でした。あまり表に書く話でもないかもしれませんが、どうしても誰かに知ってもらいたかったので。