神無月サスケの波瀾万丈な日常

神無月サスケのツイッター(@ktakaki00)を補完する長文を書きます。

人で非ずんば

さっそく、ブラックウルフさんの新作を紹介させていただきます。

あらすじ

背景が黒、白い線で描かれた世界。丸で現される魔物と抽象的な形の人間が住んでいた。主人公の村は、北の村から来るという魔物に悩まされているため、その調査のために旅立った。襲い掛かる魔物を倒しながらたどり着いた北の町で、主人公は魔物の正体を身を以て知ることになる。
冒険を続ける主人公は、なぜ自分が色のない世界に来たのか、この世界の外には何があるのか、徐々に知ることになる。

解説

ブラックウルフさん初の、ランダムエンカウントのあるRPGです。
戦闘は一対一で行われます。シンプルながら非常にやりがいのある調整されたバランスになっており、プレーしていて心地よかったです。レベルアップや装備を買い換えるのが楽しいです。かなり繰り返しテストプレーをされたのではないでしょうか。
それゆえにそこで語られるあまりにも重たい話がとても印象に残り、シナリオの奥深さが堪能出来ます。

感想

この作品で描かれるシナリオは、あまりにも重たい内容です。アナザームンホイでプレイヤーを絶望のどん底に陥れた経験のある僕でさえ、圧倒されました。

この作品は、現代社会の心の闇を生々しく描いています。皆が避けて通っている、しかし他人事ではない、直視せねばならない現実。全編が一貫してこの重たさで統一されているからこそ、メッセージが直球で伝わってくるのです。終盤になるにつれて、謎が徐々に明かされていく様子は、本当に衝撃を受けます。

バランスもいいし、シナリオも一本筋で訴えるものがある。そんな良作です。好みが分かれるでしょうが、それでも多くの人にプレーしてもらいたいと願ってやみません。

補足

ブラックウルフさんを見ていると、僕もムンホイイズム(Moon Whistle-ism)の種を残すことが出来たんだな、そう感じています。僕は昔、自分の作品に影響を受けて創作を始めてくれる人がいたら嬉しいと思っていたのですが、彼の作品はまさにムンホイイズムを踏襲してくれた作品達であり感激しています。

僕は既に、アナザームンホイを作った当時の僕とは違います。しかし、ブラックウルフさんは、当時の僕の遺志を引き継いでくれた、アナザームンホイ文化を引き継いでくれたんだな、と嬉しい気分になりました。

「旅立つこどもたちの空」もメッセージ性が高くおすすめなのですが、「人で非ずんば」はゲームバランスの完成度が高いだけでなく、シナリオの方もきれいにまとまっており、多くの人に訴えるものがあると感じました。僕はどちらの表現手段も気に入りました。

様々な切り口、表現手段をしていくブラックウルフさんをこれからも応援しています。