ぼくのすむまち 第5話
皆さん、お待たせしました!ぼくのすむまち第5話が10月17日公開ということになりました。直前になってしまいましたが、第5話の紹介をさせていただきます。
第5話の舞台は、お寺や神社が立ち並ぶ、若干古風な町です。神社やお寺が多く(そしてツクールモバイルの仕様上、教会まである)、伝統がある町として観光客も多いようです。
そんな神聖な町に、最近カラスを多く見かけるようになりました。カラスは凶兆のしるしだと、みんな不安になっています。そんな中、今回の主人公、一匹の猫が動き出します。(スクリーンショット)でもこの猫、シリーズをプレーしていた人には何か見覚えがありますね。正体はプレーして確かめてください(OP後すぐ分かります)。
テーマは「命」
今回のテーマは「命」です。今月前半〜夏にかけて、殺人事件がニュース記事をにぎわせていたので、思う所があって作りました。4話まではどちらかと言うとテレビのニュースが特集で扱いそうなネタばかりでしたが、今回はそういうネタばかり扱っていた自分を戒める感じの話です。
今回は日常の町並みではなく、神社やお寺が立ち並ぶ観光地であり、そういう意味でも若干異色です。僕の生活圏内には誰をまつっているのかも分からない石碑があったり、ほこらがあったりします。皆さんの町にもいくつかあると思います。普段はあまり意識しないのですが、こういうところに「現代に残った過去」があり、町並みに不思議な調和を与えています。今回は、その「町に残る過去の部分」に注目することで、現代が失いつつあるものは何か?と考えてみました。
このため、これまで4話に比べ、作風が変わったと感じるかもしれません。実際、エンターブレインの編集部の方からも、その点について心配されていましたが、ご心配なく。これも意図したことなのです。「ぼくのすむまち」は6話連載であり、5話はラストの手前にあたります。よってラストの前ということ、また、マンネリを避けるために異色なものを出そうと思ったこともあります。
戦闘バランス:歯ごたえがあります
今回、ゲームバランスやシステムについては「原点回帰」というキーワードのもとに調整しました。
ファミコン時代には難易度が高く歯ごたえのあるRPGが少なくなく、今も印象に残っています。今のゲームは確かに不条理は減ったのですが、その分歯ごたえもなくなったと思っている人が多いのではないでしょうか。そこで今回僕は、「歯ごたえがあるが、不条理ではなく親切なゲームバランス」を目指しました。
まず、ゲームシステムをファミコン時代のRPGに近づけました。ずばり今回、MP回復アイテムがなく、町に戻って回復するしかありません。「ドロップかん」のような使用回数無限のHP回復アイテムもありません。MPを温存しながら進んでください。また、戦闘に勝つためには戦略が必要です。町の人もいろいろと教えてくれると思いますので、それらの情報をもとに、装備を整え、技を駆使してください。
また、一部のプレイヤーは「レベルアップのために入り口付近で数回戦う」とか「最初はダンジョンの形を覚えるのと宝箱回収のためにダンジョンにもぐる。ボスと戦うのは2度目の潜入のとき、結果的にレベルも上がっている」といったファミコン時代の戦い方をするかもしれません。幸い、レベルが上がりやすいので、これらの戦略は達成感が高いと思います。
果たして「歯ごたえがある」と感じてもらえるのか、僕の意図に反して「不条理」と思われてしまうのか、不安でもあります。しかし気に入ってもらえるように祈っております。
余談ですが、携帯の特性を考え、セーブポイントはいつものままです。ボス直前にもセーブポイントがあるお約束には変更がないため、ここから「ひとっとび(ワープ魔法)」で町に戻って回復することもいつもどおりであり、ここはファミコン時代らしくない親切さかもしれません。(敢えて「ダンジョン内のセーブポイントはワープ魔法では戻ってこられない」ようにしようかとも思いましたが、やめておきました)
結論
今回は異色ですが、これを実現するために、大量にマップチップやキャラチップを描きおろすはめになりました。マンネリを避けるためとはいえ、かなり身を削っております。もう少し妥協すべきところは妥協しないと身が持たないかも、と感じました。
こうしてラスト2話、最高の形でフィニッシュを決められたと思っていますので、みなさんどうかお付き合いください。