使って分かる、今回のタイルセット
マップ作成は一部の人にとって『鬼門』だった
皆さんはマップ作成は得意でしょうか。
はっきり言います。僕は大の苦手でした。
ツクールXPではレイヤが3層もありますが、じんましんが出そうになっていました。そこを、精神統一して、頑張って組んでいました。マップを作った後は、他の作業にも増して肩こりがしました。
似たことを感じていた人、結構いるのではないでしょうか。
他の作業は進むのに、マップを打つ段階になると手が止まる……そう、完成させられない最大の原因が『マップ作成のしんどさ』にあるという人もいるかもしれません。
今回、RPGツクールVXは、まさにそこにメスを入れているのです。
なぜマップ作成は、そんなにしんどいのか
マップ作成がしんどいと思ったあなた。あなたがマップを打っているときを思い出しましょう、一体どこが、しんどかったでしょうか。
僕の経験から、思ったことを列挙します。
1.複数のタイルセットに分かれている
例えばタイルセットAにあった素材をタイルセットBで呼び出したくなったら、その都度素材そのものに手を加えないといけない。
2.パレットからタイルを探すのがしんどい
お目当てのタイルがどこにあるのか、パレットから探すとき、非常にストレスを感じていた。
3.間違ったレイヤに打ってしまう
意外とレイヤを切り替えることが多い。下レイヤに置いたつもりが全て最上位レイヤに置いてしまい描きなおしたりしてしまう。ツクXPは3層あるので、上と中を間違えることが多かった。
4.屋内では、建物の壁と床を作るのがしんどい
家具を入れないといけないので、そのバランスも考えてレイヤを切り替えながら家具とタイルを作っていく。
バランスが悪いと思ってサイズを変更すると、あれこれ移動しないといけない。これがしんどい。
5.屋外では建物を作るのがしんどい
建物を作るのもしんどい。下位レイヤに建物本体を書いて上位に窓をおく。しかし建物は、町の形に応じて移動させたりリサイズさせたりしたい。上位レイヤまで書いた建物の形をまた描きなおすのはとてもストレスだった。
6.『陰付け』なんて僕には出来ない
マップの見た目を良くするために、建物の陰をつけるのは皆やってきたことです。僕も「影をつけないと立体感がない」といわれつつ、僕のスキルでは無理だといって放棄していました。といいますか、根気が続かないんです。(←我ながら、なんて奴だ)
以上
……そろそろこのくらいにしておきます。これ以上列挙すると「お前は、単なる駄々っ子だ」というツッコミが入りそうですし(微笑)。しかし、マップの熟練者ならいざ知らず、皆さんも多かれ少なかれ、不便を感じていたのではないでしょうか。
このように、小さなストレスが積もり積もった結果、投げ出してしまうのです。何とかならないでしょうか。
ツクVXのマップ作成は実に考えられている
ツクVXの仕様を見た時、あるいは実際に触って見た時、皆さんはこう思ったことでしょう。「あれ、レイヤはないの?」「タイルセットはゲーム内共通?変えられないの?」と。
しかし、これらは、僕のように、マップ作成がしんどい人のために考慮され尽くされた仕様だったのです。
しばらく使ってみると、身にしみて分かってきますが、どこがどういいのか、ひとつひとつ説明していきます。
1. タイルセットをひとつにすると混乱が減る
ツクVXではタイルセットの選択がなくなりました。ゲーム中、全て共通のタイルセットで制作する事になります。
これで「タイルセットAにタイルセットBの素材が欲しくなったからマップ作業を中断して画像編集」という手間がなくなります。
2. タイルの場所が決まっているので『身体で覚えられる』
しかし、タイルセットを単純にまとめると、パレットにあるタイル数があまりにも多く、目的のタイルを探すのにストレスが増えるのではないでしょうか……
そこを解決するために、ツクVXでは、「タイルの使用方法を規定する」というやり方を取っています。
http://tkool.jp/products/rpgvx/material.html
素材仕様のタイルセットAを見てください。「この場所には海」「この場所には地面」「この場所には壁」と使用方法を決めてしまっています。
この仕様、最初は困惑するでしょう。
しかし、考えてみてください。
慣れてくると、パーツの場所を身体が覚えてしまい、指が自然に動くようになるはずです。
例えば壁が使いたくなったら「このあたりだな」と自然にスクロールしてしまう。
※残念ながら体験版では「どれが建物の外観か」「どれがダンジョン内の壁か」などが分からず迷ってしまったため、まだ「身体が覚える」にまで行かなかったのですが、慣れてくるとツクXPより快適に使えそうです。
フリー素材も身体が覚えていて同じ感覚で使える
一度身体が覚えてしまえば、あとはこちらのもの。
なにしろ、フリー素材が出てきても、場所が固定のため、一緒です。つまり難しいことを考えずに使えるということです。
3〜5.レイヤがストレスの種だった
マップにとってレイヤがストレスの種でした。それなら上層と下層をまとめて操作できるようにしてしまおう……これがツクVXの考え方です。
ツクールXPを使って、通常の使用では2層で事足りることが多い、そう思った人も多いでしょう。実質2層なのですが、まとめて操作が出来ることにより、レイヤの存在を感じさせなくなっています。
6.『影付け』など新機能満載
ご存知の通り、影付けが自動化されました。他にも「ダンジョン自動生成」も追加されました。面倒な操作を自動化する機能が搭載されました。
結論:長く使って身体で覚えられるツクール
XPは「最初はいいが長く使ってくるとストレスが出てくる」部分がありました。それらの問題点を実にうまく回避しています。
制約が多いのは事実です。しかしそれらは操作を「身体で覚える」ために準備されたことなのでは、と思いました。