神無月サスケの波瀾万丈な日常

神無月サスケのツイッター(@ktakaki00)を補完する長文を書きます。

ノスタルジー作品の主観的紹介

最近、いろんなものから影響を受けている。まあ、最近ようやく次回作の構想が沸いてきたりもしているし、おこもりの時期だからなんだけれど。

というわけで最近つとにノスタルジーに関係のある作品に接する機会が多かった。皆にもおすすめしたいので、見つけた分だけ書き並べておく。

なお、ノスタルジーと言ってたいていの人が最初に挙げるであろうゲーム「ぼくのなつやすみ」は、相当昔にプレーしたけれど、なんだか淡々とプレーした記憶しかないし、その続編はPS2を持っていないのでプレーしていない。だからあまり書くことは無い。

光の島(ASIN:4091863884)

実話を基にした漫画。全8巻。

過疎化で小学校が廃校になろうとしている人口二桁の島。ここに学校の廃校を阻止するため、島民の親戚の子供を迎え入れる。そして、彼の活発さが島の環境とともに取材され、それを見た不登校の子供達が島にやってくる。施設で家族のぬくもりを知らない子供達もやってきて、児童数5人、6人となっていき学校は復活して行く。

そうなっていく上でさまざまなドラマがある。主人公の光自身も、一旦東京に戻り、そこで島に戻るかどうかで葛藤したり、大人の思惑と子供の純粋な気持ちの葛藤を本当にリアルに、でも生々しくなく描いている。

僕がこの漫画とであったのは、ネットカフェでだった。ふと読んだのだが、思わず泣いてしまった。涙が止まらなかった。感動しただけではなく、自分のあらゆることがむなしくなったのだ。特にアナザームンホイを作ったことがむなしくなった。「僕が作りたかったのはこういう世界観のゲームじゃなかったのか?僕はどこで間違えたのか?」そんな気持ちになった。

冬冬(トントン)の夏休み(ASIN:B00005FX27)

ノスタルジーもの。台湾で80年代の映画だ。簡単にあらすじを説明すると……
母の病気で、夏休みの間だけ祖父の田舎に預けられる少年冬冬とその妹(ティンティン……漢字が出てこない)の話。田舎の素朴な風景、川遊びや、亀レースといった風景。そして強盗を発見してしまうといったスリル。そんな中でかかわってくるさまざまな大人たちが淡々と描かれている。

人間ドラマより、田舎の風景、子供達の素朴な様の描写が秀逸。特に、半ズボンの子供達がいい。

団地ともお(ASIN:409187231X)

半ズボンといって思い出したのがこの漫画。団地に住む小学4年生を描いた話。子供らしい生活はかかれているものの主人公がかわいくないのでキャラ萌えはせず。でも、なんだか悪がき風でありながら肝心なところが抜けている、まさに子供らしい感じで、よい。

団地というから現代の子供を描いているのか?と思いきや、そうとも言い切れない。かといって「こんな子供が存在しないといいきれるか?」というと、これまたノーである。今はもう失われてしまった昔風の悪がき、でも、今団地に普通にいそうな感じの子供。その微妙な位置が描かれている秀作。

20世紀少年が連載されている雑誌(ビッグコミックスピリッツだったと思う)に連載されていたことから認知していたが、単行本が出たので、買ってしまった。

あー、まじでこの漫画のために(20世紀少年も好きだけれど)ビッグコミックスピリッツ買おうかなー、と思わせてくれる。





後、手に入れたけれどチェックしていないものを列挙。

鉄塔武蔵野線(ASIN:B00009SF85)

第6回ファンタジーノベル大賞受賞作。……と聞くと、中世ファンタジー?と思うかもしれないが、さにあらず。れっきとした現代日本が舞台で、少年二人が、鉄塔を追って武蔵野線をたどって行く、という小説。75番鉄塔から逆順にたどっていって1番鉄塔を目指すのが目的。

この「ファンタジーノベル大賞」がすごい。第1回の大賞受賞作が、「後宮小説」という、中国の後宮(ハーレムだね)を舞台にした話、という時点ですごいと思っていた。この本も高校時代に読んだが、軽い衝撃を受けたのを覚えている。どうやらこの『後宮小説』、「雲のように風のように」というタイトルでアニメ化しているそうだね。

閑話休題鉄塔武蔵野線について。少年達の夏休みを描いた小説。「75番鉄塔から出発して逆にたどっていき1番鉄塔を目指すのが目的(そこに深い意味はない。ただ、興味本位)」「各鉄塔の中央の地面に飲み物の王冠を埋める(チェックポイント的儀式?)」というように、子供のすることに意味を求めてはいけないんだ、と感じさせてくれる。そう、本当に子供的ノスタルジーを描くと、意味のある行動を理屈っぽくさせるのはナンセンスなのである。そういう意味で、この小説、ノスタルジーなファンタジーという分野のエポックだとも感じる。

この小説のすごいところは、鉄塔の描写がやたら詳細だということ。各鉄塔に写真が載せられていて、子供がやたら形を細かく言葉で表現している。この点、審査員達も最初意見がすごく分かれていたようだが、最終的に「見えない風景を見えるようにしてしまった」作品、という風に皆をうならせてしまったらしい。

……むむむ、僕はこれだけの情報で、読みたくなってしまった。実はこの作品、DVDも出ているのだが、友人がブックオフで小説を買っていたので、借りている。暇になったらすぐ読む。

夏の庭(ASIN:4101315116)

関連作品として「ポプラの秋(ASIN:4101315124)」もある。小説。実はこの作品、僕がアナザームンホイを完成させた後に、ファンの一人からすすめられた小説。

『夏の庭』は、少年3人が、人の死を間近で見たいと思い、近所に住むお爺さんを観察して行くという話。最初はひやかし半分だったのだが、いろいろとコミュニケーションを持っていくうちにいろんな感情が芽生えてくる、という話らしい。

正直、最初はこれを見ただけでは、なんとも思わなかったのだが、最近、急に「この小説を読んだらどんな気分にさせてくれるんだろう」そんな風に思い始めた。時間ができたら読みたい。